内乱記の変更点

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「内乱記」はカエサルの書で、「ガリア戦記」の後の話。

ガリア総督の任期終了に際しての武装解除命令に対する交渉から、そのまま軍を率いてイタリアに侵入し、ガリア、ヒスパニア、アフリカ、マケドニアにわたる元老院派・ポンペイユス(ポンペイウス)との抗争を、エジプトでのポンペイユスの暗殺まで記している。

内乱自体はポンペイウスの死後も続くので、中途半端に終わるような感があるのが残念かもしれない。つづきは「カエサル文集」の「アレクサンドリア戦記」になるようだ。

ガリア戦記は、多くの部族の抗争で各地に転戦しているため、地名や部族名の多さを追うのが大変だったが、内乱記はその辺は単純である。その一方でローマ人同士の対立であるため、同名の人が両陣営にいたりして、それが連続した段落で出てきたりすることもあるので、文脈(どっちの陣営の話か)を意識していないと混乱するかもしれない。

ガリア戦記同様、戦争の一方の総司令の書なので、内容自体は割り引いてみるべきものだろうが、注目点はある。たとえば、常に民衆や兵士の心理状況を細かく書いていること、ポンペイウス派とはその差が決定的になっているように記している。カエサルの軍は敵に寛容で、相手はすぐ降伏するが、敵は降伏者を皆殺しにしたりする点が対比になっている。

以下は結末。

カエサルが寝返り者の情報漏れによってデュッラキウム(今のアルバニア・Durres)包囲戦を破られたあと、カエサルもポンペイユスも双方とも分隊との合流を果たそうとする。カエサルは合流後すぐに攻勢に移り街を次々下していく。一方ポンペイウスは合流するので手一杯で、隣のパルサルスで衝突し、バルカン半島での形勢が一気に逆転する。
カエサルが寝返り者の情報漏れによってデュッラキウム(今のアルバニア・Durres)包囲戦を破られたあと、カエサルもポンペイユスも双方とも分隊との合流を果たそうとする。カエサルは合流後すぐに攻勢に移り街を次々下していく。一方ポンペイウスは合流するので手一杯で、隣のパルサルス(ファルサルス)で衝突し、バルカン半島での形勢が一気に逆転する。

そしてその後ポンペイユスはアンピポリスからキプロスに行き、そこからシリアに向かおうとしたが、シリアは敗戦情報にって不穏になったため、先代王に恩義を与えていたエジプト、ペルシウム(いまのスエズあたり)に向かう。ペルシウムでは王プトロマエウス(プトレマイオス)と姉クレオパトラが戦争対峙中で、王のほうと交渉のとき、ポンペイユスは暗殺された。

カエサルは、決戦後にポンペイユスの行方を見失っていたが、キプロスでエジプト行きを察知し、アレクサンドリアにいく。アレクサンドリアでポンペイユスの死を知り、エジプトの内戦に介入するところでこの「内乱記」は終わる。